2024年7月26日金曜日

黒部川源流~黒部ダム 2024/7/26~29

 IN新穂高〜OUT黒部ダム





黒部川源流から黒部ダムは随分前から練ってたプランで、高天原山荘の予約チラチラ見てると1名空きがあったので速攻予約。
残り2泊はテント泊にしてたけど雨に打たれそうだったので小屋泊に変更。
今回はブルジョア登山です。

今回の山行ポイントはなるべく新規もの狙って
双六岳、黒部川源流、高天原温泉♨️、赤牛岳、読売新道、平の渡し船
てな感じ

【やばかったところ】
·高天原温泉〜尾根取付お助けロープまで
暗い時間に登ったせいか、マークを見逃し過ぎて渡渉しまくり、本沢から右の枝沢に入るところをまっすぐ行ってました。
明るい時間の通過がいいのは当たり前だけど、後の工程を考えるともっと早い時間に出た方がいいかも

·読売新道の下り後半
稜線の強風&雨はしょうがないとして、雨のせいで樹林帯では木の根ゾーンツルツルで慎重に行くしかないので時間がかかりました。しかも長い
あと尻もち付きすぎて、尻がアザだらけです。

·奥黒部ヒュッテ〜黒部ダム
平坦かと想像してましたが、ツルツル木の梯子を登ったり降りたり疲れます

【水場】
今回は水の苦労有りませんでした。

【交通手段】
往路
名古屋駅〜新穂高ロープウエイ バス7500円(23:10〜4:23) かなり早くつきました3:40くらい
4列広め 100V電源付き まあまあ快適だが寝た気がしない  
復路
扇沢〜大町駅バス1650円(12:30〜13:05)
大町駅〜松本駅JR普通4070円(名古屋までの乗車券)(14:04〜15:18) 
松本駅〜名古屋駅JR特急しなの2200円自由席(15:53〜18:07)

【小屋代】
双六小屋 2食付き 14000円 食事が素晴らしい
高天原山荘 夕食、弁当 12000円 ココヘリ割引込
奥黒部ヒュッテ 夕食、弁当 13000円


1日目(2024/7/26 金曜日)
今回の縦走は車の回収が面倒だったので、公共交通機関をチョイス。深夜バスで新穂高へ。

予定より早く3:40に到着し、ロープウェイ近くで降ろされた。上高地行きのバスは満席近くだったが、ここで降りる人はわずか5名。寝たかどうか怪しい状態で、ヘッドランプを点けて新穂高センターへと歩き出す。

平日にも関わらず、登山者が多い。準備をしながら暗闇の中、雲がかかった山々を眺める。4:30に双六、笠ヶ岳方面へと出発。熊情報がないため、ソロで先頭を歩くのは避けたい。

ゆっくりと歩いてわさび平小屋に到着。スイカ、トマト、きゅうりが美味しそうに迎えてくれる。きゅうりを一本購入し、塩を振ってパリパリと食べる。

小池新道入口からが本番。鏡平まで3時間30分とのこと。山頂付近の雲が晴れ、槍の穂先がちらりと見え始める。秩父沢出合に7:25に到着し、そこから眠気が襲ってくる。
シシウドヶ原でスライドする人が増え、登山YouTuberで漫画家の「ありを先生」と遭遇。声をかけると、動画そのままの明るく楽しい方だった。

先生からパワーをもらったのか、鏡平山荘にはあっさり到着。平日なのに多くの人がいた。かき揚げうどんが限定20食との情報をLINEで入手し、注文は10番目。疲れていたせいか、あっという間に食べ終える。




槍の穂先から雲が取れると、「見えた!」の声が上がる。30分ほど休憩してから双六小屋へと向かう。




鏡平から弓折まで急登。息が切れる中、振り返って槍様の写真を撮る。この区間は槍の写真が多め。

弓折乗越に12:14に到着。休憩中の人々は、今日すでに見た顔ぶれ。前回の笠周回で通過したので、弓折岳には立ち寄らず、双六へ。初めてのルートでワクワクするが、ガスが出てきて遠方が見えないのが残念。

稜線歩きが終わり、左に入ると鷲羽をバックに双六小屋が見える。背景が白いのが少し残念だが、美しい景色。ヴィクトリーロードを進み、双六小屋に到着。今日の予定はここで終了。










受付でお姉さんが優しく小屋の説明をしてくれる。最近の小屋は受付が優しいのに驚く。昔は疲れて到着しても、無愛想な受付で説教されることが多かった。

びしょ濡れの服を着替え、乾燥室に干す。生ビールとチップスターで乾杯。1000円のビールが3口でなくなるが、4日間の禁酒が効いている。そのまま寝てしまいそうになるが、談話室で本を読んでいると、高齢の日本人団体に囲まれ、少しずつ追い出される。

夕食は素晴らしく、山小屋で揚げ物があることに感動。対面の若者はご飯を5杯もおかわり。食後はコーヒーを飲み、明日の準備をしてから就寝。


2日目(2024/7/27 土曜日)
朝5時、美味しい朝食を楽しんだ後、のんびりと双六岳への登山をスタートしました。小屋の横の斜面はかなり急でしたが、昨日とは打って変わって青空が広がる中、登り始める。



途中、他の登山者から雷鳥の情報を得ましたが、残念ながら出会うことはありませんでした。岩場を登り切り、振り返ると、槍ヶ岳へと続く天空の滑走路が見えました。逆光で少し見づらかったですが、笠ヶ岳もちらりと姿を見せていました。

6:20には双六岳に到着。360度の素晴らしい視界を楽しみ、昨夜の夕食で大食いをした若者たちも見かけました。彼らは鷲羽岳を経由して水晶岳へ向かうようです。

7:44には三俣蓮華岳に到着しました。ここからは景色がさらに素晴らしく、鷲羽岳が大きく見えました。トレッキングポールを片手に三俣山荘へと下りました。まるで魔法の杖を使っているかのように快適でした。

8:40に三俣山荘に到着。カレーが1800円と少し高かったので、食べるのを我慢しました。ここからは黒部川の水源標へと下りました。沢沿いを下るということは、三俣テント場の水場も源流なのでしょうか。

9:23には黒部川の水源地標に到着しました。ここで少し休憩した後、岩苔乗越へと向けて登り始めました。これが本日の最後の上りです。

険しい道を90分かけてワリモ水場に到着しました。ここで黒部川の源流とされる場所で写真を撮り、黒部ダムへと向かいました。しかし、その前に今回の最大の目的地である高天原温泉を目指しました。

岩苔乗越から沢とお花畑を過ぎ、樹林帯に入ると、ムシムシとしたドロドロの地帯が体力と精神力を削りました。終盤で休憩していると、ソロで登山していた女性に追い越されました。お互いにこのルートで人に会うとは思っていなかったので、驚きました。

13:44には高天原山荘に到着しましたが、今日はまだ終わりではありません。着替えを持って温泉へと向かいました。下りは15分ほどで、途中で川を渡る必要がありました。登山靴で行くべきだったと思いました。温泉沢沿いには小さな温泉小屋と露天風呂があり、先客が2名いましたが、一緒に入浴させていただきました。

話を聞くと、彼らは雲の平から水晶岳を経由して温泉沢の頭から降りてきたそうで、明日私が登るルートも通れそうだと安心しました。ただし、登りは大変だと言われました。

温泉は適温で、山荘で買ったビールは3口で飲み干しました。登山の疲れは長く続きますが、温泉の至福は一瞬でした。

しばらく温泉に浸かっていると、暑くなりすぎて沢に入ろうとしましたが、冷たすぎて無理でした。他の登山者が入れ替わり立ち代り入浴している中、私は1時間ほど滞在しました。雲の平からピストンで来た人もいました。

登りなので汗をかかないように気をつけながら、30分かけて山荘に戻りました。山荘に着くと、テラスは大賑わいで、温泉で知り合った顔ぶればかりでした。夕食時には皆で情報交換をしました。奥地なので、皆さんの日程はとても長く、夢の裏銀座から来た人や、折立から1日で来た人など、すごい方ばかりでした。明日は温泉沢を登り赤牛岳に向かう予定ですが、同じルートを行く人がいたので少し安心しました。
    
3日目(2024/7/28 日曜日)
午前2時に起床し、2時半に出発。この時間にしては湿気が多く、天気が崩れる予感がします。
雲の平を抜けて新穂高に戻るか一瞬考えましたが、とりあえず温泉を目指します。温泉に着いたら、まるで戦闘モードに入ったかのよう。動けばスイッチが入るタイプです。

暗闇の中、沢を遡上しますが、最初からマークが見えず、進めるところを探ります。テント装備では無理だと感じました。

渡渉を繰り返し魔法の杖のおかげでドボンせず、中盤になり、やっとマークと踏み跡を見つけてホッと一息。

調子に乗っていたら、またマークを見失い、ヤマレコを見ると、右の沢ではなく左の広い方に進んでいました。高天原山荘の略図にも枝沢に入ると書いてあったのに。トラバースは厳しそうなので、素直に戻り軌道修正。

5時に尾根取り付けのお助けロープに到着。ここからはただの急登で迷うことはありません。樹林帯を通過中、何でもないところで転んで、崖から落ちそうになりましたが、枝を掴んで何とか無事。手袋をしていなかったため、右手のひらを切ってしまいましたが、出血は少なく、水で洗い流してから手袋をして進みました。

樹林帯を抜けると、ハイマツ帯、ザレザレ帯、岩場へと変わり、温泉沢の頭に7時20分に到着。8時を目標にしていたので、早出が功を奏しました。

稜線歩きは、強風とガスの試練の連続でしたが、時々ガスが晴れて山頂が見え、赤牛岳かと期待しましたが、違いました。舌打ちを10回ほどして、9時41分に本物の赤牛岳に到着。10時を目指していたので、安心しました。

山頂で風よけになる場所を探すと、2人の先行者に出会い、お互いに驚きながらも健闘を称え合い、山頂で写真を撮り合いました。

残りは4時間の下り。開けた稜線をのんびり進むと想像していましたが、現実は急な下り、片側が切れ落ちた危険な箇所が2か所、岩場、そして天国のような広い稜線は少しだけで、半分は滑りやすい木の根があるゾーンで何度も転びました。

15時42分に奥黒部ヒュッテに到着。6時間かかりました。受付前の乾燥室で濡れたものを干し、お風呂に入って頭と体を洗い、スッキリしました。風呂上がりにビールを飲んで、今日の余韻に浸りました。夕食前に寝落ちしそうになりながら、写真を整理しましたが、今日の写真はほとんどありませんでした。撮った記憶もありません。

夕食はおでんと豚汁で、量が多くてお腹がいっぱいになりました。部屋に戻ると、3人部屋で後から2人が来る予定でしたが、まだ到着していないようでした。そのまま寝てしまい、朝まで部屋を独り占めでした。

4日目(2024/7/29 月曜日)
最終日、黒部ダムへ向けて出発。平坦を想像してましたが、道中はまるで木の梯子の祭り、下の廊下のような上り下りが続き、昨日の怪我で腫れた手を気にしながらも、左手頼りでゆっくりと進みました。

平の渡しには先客が一人。船が来るまでの一時間、昨日もらった弁当でエネルギーチャージ。結局、小屋番の人を含めた4人で船に乗り込みました。

小型の船はあっという間に目的地に到着。誰もが思うであろう「このままダムまで行けたらな」という願いを胸に秘めつつ、歩を進めます。

木の階段はまだまだ続き、滑って転んでも、ザックがクッション代わりになりました。痛みに耐えながらも、時々現れる沢で顔を洗いリフレッシュし、気温の上昇と共に前進。

もはや山旅を楽しむ余裕はなく、「早く終わらんかな」という気持ちで進み、コンクリートの道に変わり、足への負担が増す中、黒部ダムと橋が視界に入りました。観光客の興味を引きつつも、会話中に徐々に距離を取られるのが面白い。

トンネルを抜け、ダムに到着。放水にかかる虹が「お疲れさま」と言ってくれているようでした。時間が迫る中、靴を履き替えて扇沢行きのバスに飛び乗りました。

おつかれ山でした。  


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